体位変換は必要です。
床ずれ予防用具はあくまで補助用具ですので必ず体位変換は実施するようにしてください。
同じ体位で長時間寝ていると、体位で下になる領域に発生する肺炎(沈下性肺炎)がおきることがある為、肺炎を予防する目的のためにも体位変換は必要です。
また、その他にも内蔵機能の低下や循環器障害、関節の拘縮予防にも効果があると言われています。
体位変換が無理なら、マイナーチェンジだけでも大きな効果があります。
マイナーチェンジというのは手や足の組み変え、顔の向きを変えるなど、部位だけ動かすことです。手足などの床ずれは仙骨部や大転部に比べてとかく見落とされがちです。しかし、重症な状態では、床ずれが発生しやすい部位だけに、かかと、くるぶし、ひざ、ひじなどの突出部の観察や減圧が大切です。前途のマイナーチェンジも予防に効果があります。
体位変換は2時間、長くても3時間おきに行うことが大事です。このように頻繁に行う体位変換は、床ずれを予防するのはもちろんですが、寝ている方の状況を見に行く機会をつくること、そこに大きな意味があります。介護者がまめに顔を見に行くことで安心し、自分が訴えたいことを感じてくれるという信頼感を深めることになります。つまり、体位変換はヒューマンコミュニケーションとして大切な時間でもあるのです。さらにはこの時間を利用して、全体を観察することも大切です。その際には次のことにも注意していただくと良いでしょう。
・ 顔の表情
つらそうな顔をしていたり、いつもと違う表情をしている場合は、手が曲がっていたり、どこかにトラブルがあるのかもしれません。無理な姿勢になっていないか、圧力がかかっていないか等チェックします。
・ エアマットなどの器具のチェック
エアマットなどの体位分散マットレスを使っている場合には、正しく動作していることを確認する必要があります。電源が切れていたり、空気を送るチューブが折れていたりして、エアマットの空気が完全に抜けていることがあります。せっかく良くなってきている床ずれが一気に悪化してしまうことも少なくありません。
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